車の制限速度と実際に出せる速さの違い
住宅街や一般の道路では制限速度は時速40~60km、高速道路では時速80~100km程度となっています。しっかりとその速度を守って走るのがルールとなっていますが、車のメーターにはそれ以上の数値までメモリが刻まれています。
実は、車を最高速で走らせようとするとメーターに刻まれているメモリのスピードが出るそうです。
なぜ制限速度以上のスピードが出るようになっているのでしょうか。その理由について迫ってみましょう。
車の最高速度が法定速度以上出せる理由とは?
車の最高速度が法定速度以上出せる理由は、1つだけではありません。
◎危険回避のため
万が一、落下物や落石・後方で起きた大きな事故などから逃れなければならないような場面では、制限速度は気にしていられません。できるだけスピードを上げて危険を回避する必要がある場合を考えて、最高速度が出るようになっています。
◎上り坂対策
高速道路でも、上り坂が長く続くようなことがあります。そんな道を走行する際には、出せる速度の限界が時速100kmの車では時速100kmのスピードで走ることができません。その車にさらに定員いっぱいの人が乗っていたり多くの荷物を積んでいる場合には、スピードが遅くなってしまいます。
そのような状況で上り坂を高速走行しようとする場合には、車の性能としては平たんな道でかなりのスピードを出せる必要があります。
◎重さ対策
平たんな道のりでも、多くの人数・荷物が乗り重量が重くなるとスピードが出なくなってしまいます。車の重さが多少重くなってもしっかりとスピードを出して走れるようにするためには、それ以上のスピードが出せる必要があります。
◎車への負担を軽くするため
車の性能として、時速100kmしか出せない車が時速100kmで走り続けるのと、時速150km出せる車が時速100kmで走り続けるのとでは、車にかかる負担が違ってきます。余裕をもって時速100kmで走れるようにするためには、それ以上のスピードが出せる性能が必要となるのです。
◎制限速度が変わる可能性がある
現在の法定速度は100kmまでですが、将来的に法定速度が120kmに緩和される可能性はゼロではありません。そのような時にみんなが車を買い替えるわけにはいきませんから、余裕を持たせた性能を維持しているとも考えられます。
◎商品力を高めるため
速いスピードを出せる車というのは、それだけ性能が良いということの証になります。車の性能の高さをアピールするためにも、メーカーにとっては最高速度が速いという点がメリットになります。
◎海外への輸出対策
日本の法律に基づいた速度しか出せない車を生産した場合、海外への輸出時にデメリットが生じることがあります。
具体的には、輸出時に輸出先の規制に応じた性能に変えなければならない、関税などの税率が変わってくる、などです。海外との取引をスムーズにするためにも高性能な車は必要とされています。
◎一般道以外の使用用途
サーキット内など一般道以外の場所でレースなどに参加する場合には、法定速度以上のスピードが求められます。モータースポーツを楽しむ方々にとってスピードの出る車は魅力があります。
法律を守らず、スピードを出しすぎるとどうなる?
車の性能が良いからといって、法定速度を無視して高スピードで運転をしていると「スピード違反」となります。一般的には「反則金を取られる」というイメージが強いと思いますが、あまりにも悪質なスピード違反を行うと反則金より重い「罰金刑」という刑が下されます。
その基準は、
一般道:時速30km以上のオーバー
高速道路:時速40km以上のオーバー
です。
今一度、自分の運転が知らない間にスピード違反となっていないかどうかを考えて、法定速度内で走行するように心がけたいものです。