MT車のエンストとAT車のエンストに違いはある?
MT車に乗ったことがある方は経験があるかもしれませんが、車の発進時や走行中にエンジンが突然止まってしまうことを「エンスト」と言います。
MT車がエンストを起こしてしまう時は、たいていが運転者の操作ミス(クラッチの操作ミス・ギアの入れ間違いなど)が原因となっています。車の故障ではないため、操作をやり直すことで車は正常に動き出します。
ですが、AT車にはクラッチがありませんし、ギアの入れ間違いもそう起こるものでもありません。ですので、AT車でエンストが起こる場合には車に異常(損傷や故障)があることがほとんどです。
AT車でエンストが起こる原因や対処方法について、詳しくみていきましょう。
AT車がエンスト!その症状と原因はどんなもの?
AT車がエンストを起こした時の様子によって、考えられる原因が絞られてきます。エンストの様子と考えられる原因を紹介します。
◎エンジンがガクガクとした動きをして止まった
エンジンがガクガクした動きをして、少しずつスピードが落ちて止まってしまう場合があります。そのような時は燃料系にトラブルが起きていることが多くあります。
時間をおくことで再び走り出せるようになることがありますが、きちんと点検を受けることをおすすめします。
◎エンジンルームから「シュー」という音が聞こえる
エンジンルームから空気の抜けるような「シュー」という音が聞こえて止まる場合には、エンジンの周りにあるホースなどからエア漏れが起きていることが多くあります。
◎決まった場所で止まる
坂を上りきった場所やカーブなど、一定の条件の時に止まってしまう場合には燃料ポンプが故障していることが多くあります。
時間をおくことで走り出すこともありますが、点検を受けることをお勧めします。
◎アクセルを踏み込むと止まる
坂道などで加速する際にアクセルを強く踏み込むと止まってしまう場合は、燃料センサーなどを制御している部分でトラブルが起きていることが多くあります。
◎アクセルから足を離したときに止まった
アクセルを緩めた際に止まってしまう場合は、バキュームセンサーなどの制御系でトラブルが起きていることが多くあります。
◎何の前触れもなく静かに止まった
車が後ろにひかれるような感覚で、何の前触れもなくストンと止まるような場合には、点火プラグなどでトラブルが起きていることが多くあります。
AT車は操作ミスが原因でエンストは起こらないの?
AT車もMT車と同じように操作ミスによりエンストしてしまうことがあります。トラブルの事例で多いのが坂道での操作ミスです。
坂道を下ろうとする際にギアが間違ってバックに入ったままブレーキを離すと、車はバックで坂道を登ろうとするのですが、実際は車の重みで坂道を下り始めます。
走る方向とギアの向きが合っていないような場合にはAT車でもエンストを起こしてしまいますので、注意が必要です。
AT車がエンスト!こんな時、どうやって対処する?
AT車がエンストしてしまった時の対処方法を紹介します。
◎停車中のエンスト
車が止まっている時にエンストした場合には、ギアを何度かチェンジしてみるのがおすすめです。何度目かにギアをDに戻してもエンジンがかからないようであれば、ハザードランプを付けて周囲に異変を知らせ、ロードサービスなどを扱っている会社に連絡をするようにします。
◎走行中のエンスト
走行中にエンストを起こしてしまった場合には、ハンドルとブレーキが重くなってしまうため、とても危険です。車の制御が難しくなるため大きな事故につながる恐れが大きくなります。
万が一、走行中にエンストしてしまった時はハザードランプをつけて、ギアをNに入れましょう。
ハンドルやブレーキが重くなりますが動かないことはありませんので、落ち着いてハンドルとブレーキを操作して安全に止まれるようにしましょう。車を止めることができたらギアをPに入れサイドブレーキを引きます。
その後、ロードサービスを呼びます。
AT車のエンストは何らかのトラブルが起きている可能性が高いですから、無理して走行を続けず、早急に点検を受けるようにしましょう。