まさか、車が水没!どうやって脱出すればいい?

車の燃費・乗り方

身近になった水没事故 水没の原因は?

度重なる大型台風の上陸、春から夏にかけてのゲリラ雷雨、と一度に大量の雨が降る機会が多くなりました。2018年には川の氾濫による冠水も大きなニュースになりました。雨の被害が出るたびに、テレビでは冠水した道路の様子や水没した車の様子が映し出されています。

「大変そうだなぁ」と他人事のように見ている方が多いと思いますが、冠水はあっという間に起き、迷っている間に水没してしまうことが多くあります。

万が一、冠水の被害に遭ってしまったら判断を迷っている暇はありません。いざという時のために車内にいる時に水没してしまった場合の対処方法を知っておきましょう。

水没するとドアは開かなくなる?パワーウインドウは?

車が水没する状況にもよりますが、車が水没する!と思ったら一刻も早く車外に出ることがポイントとなります。少しずつ水かさが増える車外を見ていたり、車内から消防や家族に助けを求めるのは手遅れになってしまうことがあります。

それには理由があります。

◎水圧でドアが開かなくなる

車の周りに障害物が何もない状態で水没した場合は、車外の水深が60cmになるとドアを開けるために通常の5倍の力が必要になるといわれています。
さらに、車外の水深が90cmを超えると女性ではドアが開けられなくなるほど水圧がかかります。ドアからの脱出は現実的ではないことを知っておきましょう。

車内に水が入ってきた場合には、車外と車内の水位が同じくらいになれば外からの水圧がなくなるため、ドアが開きやすくなります。水没の危機を感じたら、車内に水を入れることも選択肢の一つです。

◎パワーウインドウが動かなくなる

車が水没する時には電気系統も濡れてしまいますから、パワーウインドウが使えなくなることが多くあります。車外の水位が窓より低いからと安心せず、開けられるうちに開けて屋根に脱出するのがおすすめです。

電気系統が故障しなくても、窓に水圧がかかるとドアと同じように開かなくなることも考えられます。

※スライドドアもパワーウインドウと同様に、水没時には動かなくなります。

窓ガラスを割って脱出することはできる?

水没した車からドアや窓を開けて脱出することができなくなった場合、最終手段となるのが「窓を割って脱出する」という方法です。ですが、車の窓ガラスは安全ガラスになっており、簡単には割れることがありません。(交通事故に遭った車でも、ガラスにひびは入りますが、割れているところはあまり見ませんね)

では、窓ガラスを割るにはどうすればいいのでしょうか。

車の窓ガラスを割るために用意しておきたいのが「緊急脱出用ハンマー」という特殊な工具です。

ガラスに衝撃を与えるハンマーの部分には鋲のような尖ったものがついており、力を一点に集中させることができます。また、持ち手部分には特殊がカッターがついておりシートベルトを手早く切ることができるように工夫がされています。

脱出をする際には、まずシートベルトをはずします。そして運転席側か助手席側の窓の中心部をハンマーで叩きます。フロントガラスは頑丈な作りになっているため、ハンマーを使っても割ることができません。(車種によっては運転席・助手席の窓も特殊が加工がされていて割れないことがあります)

ガラスにひびが入って一部でも破ることができたら、手で穴を広げて脱出しましょう。(車のガラスは食器などのように割れても飛び散りにくく、けがもしにくくなっています)

緊急脱出用ハンマーは、カー用品店などで1000円ほどで購入することができるのでぜひダッシュボードなどに入れておきましょう。いざという時、手探りでも取り出せる位置に置いておくのがポイントです。

車が水没!同乗者がいた場合はどうする?

車が水没しそうな時、同乗者がいる場合には運転手が的確な判断と素早い行動を取り、全員が助かるように努力しましょう。

手順は以下の通りです

・シートベルトを外す(運転手→同乗者の順)
・同乗者を前部の座席に呼び寄せる
・ドアまたは窓を開ける・破る
・屋根の上に避難する(同乗者→運転手の順)