自賠責保険ってどういうものなの?
車を所有するうえで、必ず保険に加入することが義務付けられています。それが「自賠責保険」です。自賠責保険に加入していないと、車を車検に通すことができないため、車を所有している人は、すべて「自賠責保険」に加入していることになります。
車を購入する際や車検を受ける際に自賠責保険の保険料を支払うため、加入しているという意識がない方も多いかもしれませんが、必ず加入していることを覚えておきましょう。
今回は、そんな自賠責保険について、保険料や補償内容・罰則について見ていきたいと思います。
自賠責保険の加入期間と保険料について
自賠責保険は、車を入手した時から次に車検を受ける時までの間、加入している必要があります。そのため、保険の加入期間は以下のようになることが多くあります。
◎新車の場合
37か月・36か月
◎車検の場合
25か月・24か月
◎毎年更新の場合
13か月・12か月
車検は「満了日の24時まで」を有効としていますが、自賠責保険は「満了日の12時」が有効期限となっています。そのため、万が一車検の最終日の午後から夜にかけて事故を起こした場合には自賠責保険が期限切れになってしまいます。ですので、自賠責保険を1か月分多く加入しておいて、自賠責保険が車検の満了時刻まで有効になるようにする方が多くいます。
保険料は加入期間と車種(普通車・軽自動車)によって変わります。
◎普通車
37か月:約4万円
25か月:約2万9千円
13か月:約1万8千円
◎軽自動車
37か月:約3万8千円
25か月:約2万7千円
13か月:約1万7千円
将来的に、自賠責保険の満了時刻が24時に変更されることになれば、契約期間も車検と同じ36か月・24か月という加入で済むようになると考えられます。
自賠責保険ではどのくらい補償されるの?
自賠責保険に加入していながらも任意保険に加入している方が多くいます。それは、自賠責保険の加入だけでは万が一の際、自己負担額が多くなるからです。
自賠責保険はどのくらいの補償がされるのでしょうか。補償額は被害者の方の状態によって異なります。
◎死亡時
3,000万円
◎障害時
120万円
◎後遺障害時
最高で4,000万円
新聞やニュースなどで知ることができるように、交通事故などで裁判が起こると、被害者に対して1億円に近い賠償額の支払いを命じられることがあります。そのことを考えると、自賠責保険の補償額だけでは心もとないと感じるのではないでしょうか。こうした理由から、任意保険には車の所有者の約85%が加入していると言われています。
自賠責保険からは上記の補償だけでなく、治療費・入院費・休業補償なども支払われます。治療を受ける必要がある場合には、健康保険や労災の利用もできるため、自賠責保険のみの加入としている方もいるようです。
自賠責保険が切れると、どのような罪になるの?
自賠責保険には加入の義務があるため、保険が切れた状態で車を運転していると「違反点数6点」と、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」を科せられることになります。
万が一、保険が切れた状態で人身事故を起こしてしまった場合には、自賠責保険からの支払いはありませんが、被害者には政府保障事業から保険金が支払われることになっています。これは被害者を保護するという観点から行われている事業で、ひき逃げで加害者が不明の場合や無保険の車・盗難車による事故などの際に、加害者の代わりに国が保障するしくみになっています。
多くの場合、自賠責保険が切れている時には車検も切れているため、任意保険による補償も受けることができなくなります。保険に加入していると思って安心しておらず、車検の有効期限・自賠責保険の有効期限を忘れないように気を付けておく必要があります。また、先ほども紹介したように自賠責保険と車検の有効期限の時間差についてもしっかりと覚えておくようにしましょう。