2013年導入「事故有等級制度」って何?
多くのドライバーが加入をしている自動車の任意保険ですが、2012年から2013年にかけて等級について2点の大きな変更がありました。一体、何がどう変わったのでしょうか。
◎「1等級すえおき事故」の廃止
2012年まで車両保険の中でも小さな事故に適用されていた「1等級すえおき事故」が、廃止されました。
小さな事故に関しては、等級を変えることなく見守るというスタンスだったものが、小さな事故でも保険の等級を必ず1等級ダウンさせるという方針に変わりました。
◎「事故有等級制度」の導入
2013年10月から新しい制度として「事故有等級制度」が導入されました。
事故を起こした際は3等級ダウンするというシステムは変わりませんが、無事故でその等級にいる人と、事故を起こしてその等級にいる人の保険料の割引率を違うものにすることとなりました。
「事故有等級」について詳しく見てみよう
任意保険に加入して6等級からスタートし、無事故でいると等級は1つずつ上がっていきます。等級が上がるにつれて保険料の割引率も大きくなっていきますが、事故を起こすと等級が3つ下がります。
たとえば、20等級まで無事故でいた人が事故を起こしたとしましょう。事故後、等級は17等級にダウンしてしまいます。この場合「事故有等級」となり、保険料の割引率が38%になります。
無事故で17等級になった人の割引率は57%ですから、事故を起こして17等級になってしまった人は、無事故の17等級の人よりも19%高い保険料を払うことになります。
気を付けたいのは、この「事故有等級」が3年間適用されるという点です。先ほどの例で言うと、事故有17等級で無事故でいた場合、翌年は「事故有18等級」となり保険の割引率は40%となります。さらに次の年も「事故有19等級」となり、保険の割引率は42%となります。事故後の3年間は、無事故等級の割引率より19%保険料が高くなることになります。
事故有等級で3年間無事故でいた場合、4年目には事故前の等級に戻り、保険料も無事故の等級と変わらない割引率に戻ることができます。(例の場合は20等級で63%の割引率)
簡単に言うと、たった1度でも保険を使うような事故を起こした人は、その後3年間高めの保険料を支払うというシステムになったということです。
事故有等級適用中に新たな事故を起こすとどうなる?
悪いことを考えたくはありませんが、万が一事故を立て続けに起こしてしまうと、どうなってしまうのでしょうか。
事故有等級の考え方は、先ほど紹介したように「事故後3年の無事故で元に戻る」というのが原則です。ですが、盗難や災害に遭って1等級ダウンすることも考えられます。そのような時には計算式に当てはめて無事故等級に戻るまでの年数を計算します。
計算式は、
(前の年の事故有適用期間-1)+(前の年の3等級ダウン事故数×3+前の年の1等級ダウン事故数×1)
となります。
毎年更新される任意保険の前回の契約が「前の年」に当てはまります。実際に計算をしてみましょう。
◎初めて3等級ダウン事故を起こした場合
(0-1)+(1×3+0×1)=3
3等級ダウン事故を起こした後、無事故でいれば3年で無事故等級に戻ることができます。
◎前年は無事故だったけれど、3等級ダウン事故を2回起こした場合
(0-1)+(2×3+0×1)=6
無事故等級に戻るまで、6年間は無事故でいなければなりません。
◎2年続けて3等級ダウン事故を1回ずつ起こした場合
(3-1)+(1×3+0×1)=5
無事故等級に戻るまで、5年間は無事故でいなければなりません。
◎前年は無事故だったけれど、3等級ダウン事故を1回・1等級ダウン事故を1回起こした場合
(0-1)+(1×3+1+1)=4
無事故等級に戻るまで、4年間は無事故でいなければなりません。
事故を起こした後、保険会社の担当者から事故有等級制度について説明がありますので、自分が何年後に無事故等級に戻ることができるのかを確認しておくようにしましょう。