搭乗者保険・人身傷害補償保険って必要なの?

自動車保険の選び方

搭乗者保険・人身傷害補償保険ってどういうもの?

自動車を所有すると、多くの方が任意保険に加入します。その際、「対人保険」や「対物保険」「車両保険」についてはしっかりと理解して加入を検討される方が多くいますが、「搭乗者保険」「人身傷害補償保険」については「よくわからない」と感じる方も多いのではないでしょうか。

搭乗者保険も人身傷害補償も、車を運転していた人や搭乗者のけが・死亡を保証してくれる保険となっており、役割としては大きなものを担ってくれています。どちらも契約者の過失割合に関係なく補償を受けられるという点が大きなメリットとなっています。

自動車総合保険に入っている場合には、搭乗者保険か人身傷害補償保険がセットになっている場合もあり、気付いたら加入していたということもあるかもしれません。2つの保険について知識を深めて、より有効に活用できるようにしましょう。

搭乗者保険の詳しい内容を知ろう!

契約をした車に乗っていた人全員を対象として、死亡・後遺障害・医療保険金が支払われるようになっている保険です。契約者との血縁関係などは関係なく対象となります。

事故の過失割合は関係なく保険金額が決まることになっています。

人身傷害保険の詳しい内容を知ろう!

記名被保険者とその家族が車に乗っている時や歩行中に事故に遭った場合に補償を受けることができる保険です。規定されている家族以外の人は、車に乗っていた場合にのみ補償を受けることができます。

事故の過失割合は関係ないため、加害者になってしまった場合でも被害者になった場合でも、けがの治療費や休業における損害、精神的な損害に対する損害額をすべて受け取ることができます。

搭乗者保険と人身傷害補償保険の違いは何?

搭乗者保険と人身傷害補償保険は似ているようですが、人身傷害補償保険の方が手厚い補償を受けることができるようになっています。他にも違いがありますので、詳しく紹介します。

◎保険金の支払われるタイミングが異なる

・人身傷害補償保険

自動車事故が起きて死傷者が出た場合には、相手方との示談交渉を待つことなく損害額のすべてが支払われます。

・搭乗者保険

自動車事故の後、医師の診断によって入院したり通院した日の合計が5日以上となった時点で、一定額の損害額が支払われることになっています。治療を受ける際の一時金のような仕組みと考えるとわかりやすいかもしれません。

◎保険金の支払われる仕組みが異なる

契約の内容によって支払われる額は異なりますが、そもそも異なった仕組みになっていますので違いを知っておきましょう。

・人身傷害補償保険

加入契約時に、保険金を3,000万円~1億円・無制限で設定することができます。事故が起きた場合には、約款に定められた損害額算定基準をもとに損害額の合計額が決まり、支払いが行われます。

重度の後遺障害が残り、介護が必要になった場合には保険金額の2倍が限度額として損害額が支払われることになっています。損害額には、通院費・休業損害・葬祭の費用なども含まれます。

・搭乗者保険

保険会社によって差はあるものの、あらかじめ決められている部位(頭・腕など)とその症状(骨折や神経の損傷など)によって一定額の金額が支払われることになっています。

1つの事故で、複数の部位に症状がある場合には、症状の中で最も高い保険金額となるものを元に保険金が支払われます。

通院費・休業損害・葬祭の費用などは対象となりません。

搭乗者保険・人身傷害補償保険って必要なの?

搭乗者保険と人身傷害補償保険の違いや仕組みを見てきました。この2つの保険については、家族構成や車に乗る頻度などを考えて組み合わせたり省いたりするのがおすすめです。

保険料を安くしたい、という思いが強いのであれば、補償の範囲が広くなっている人身傷害補償保険にのみ加入して搭乗者傷害保険を外すという選択もいいでしょう。人身傷害補償保険も、契約する保険金額を変えることで保険料を抑えることができるようになります。

万が一の際、過失割合に関係なく補償してくれることを考えると、どちらかには入っておくのがいいでしょう。