暖機運転って何？運転前にやった方が良いの？
暖機運転という言葉を聞いたことがありますか？元々は機械用語の１つでしたが、車の運転をする際にもエンジンなどの温度を適正な値まで上げて、車がスムーズに運転できるようにすることを「暖機運転」と呼びます。
昔の車はエンジンなどの温度が低いまま走行してしまうと、エンジン内部にダメージを与えてしまったり車の正しい性能が発揮できないという状況になってしまっていました。ですが、最近の車では性能が向上したことやアイドリングが規制されていることもあり、暖機運転は不要と言われています。
ですが、最新の車でも寒冷地では暖機運転をすることが推奨されています。一体、どういうことでしょうか。
暖機運転について知識を深めていきましょう。
暖機運転のメリット・デメリットが知りたい
エンジンやその周りのパーツが本来の性能を発揮するためには、ある程度の温度が必要となります。エンジン内部の温度を上げるために、暖機運転は有効と言えます。
また、暖機運転をすることでエンジンオイルをエンジン内に循環させることができると、エンジンと部品との摩擦が軽減されエンジンの傷みを防ぐことができるようになります。エンジンオイルが内部を循環するためには約１分あれば十分と言われていますので、暖機運転は１分だけと考えておきましょう。それ以上の暖機運転は不要です。
暖機運転なし（エンジンが温まっていない状態）で走行を始めると、ガソリンの燃焼効率が下がってしまいます。燃費を考えると、暖機運転をしてから走行を始めた方がお得です。
また、エンジンが温まったと思って早々に高速運転をすると燃費が悪い状態になってしまうことがあります。かといって必要以上の暖機運転は燃費を悪くしてしまいますから、注意が必要です。さらに暖機運転中（アイドリング中）に出る排気ガス・CO2は環境にとってもデメリットが大きくなることを理解しておきましょう。
知っておきたい、暖機運転が必要なのはこんな時
現在は車・オイルの性能が良くなり、昔ほど暖機運転は必要ないとされています。ですが、暖機運転をした方が良い場面もあります。
それが、１週間以上乗っていない車に乗る場合です。また、外気温がマイナス10℃以下になっているような環境の場合には、暖機運転をするようにしましょう。暖機運転をすることでオイルの循環が良くなり、スムーズに車を走らせることができるようになります。
寒冷地で暖機運転をする際の目安は、水温計が動き出す程度です。
暖機運転に代わる、暖機走行で車を温めよう
エンジンの内部にまんべんなくオイルを循環させるためには、アイドリング中の暖機ではなく実際に走行しながらエンジン内の温度を上げるのがおすすめです。これが「暖機走行」です。エンジンの回転数が落ち着くまで、あまりエンジンの回転数を上げることなくゆっくりと走行するのがポイントです。
暖機走行のポイントは以下の通りです。
・アイドリング状態で暖機を行う（10～30秒程度が目安。エンジンの回転数が落ち着くのを待ちます）
・交通に迷惑をかけない事に気をつけながら、エンジンの回転数が上がらないような運転を心がけます。必要以上にアクセルを踏み込んだり、シフトチェンジをしてエンジンブレーキを使わないようにします。
この場合、水温計が通常通りの位置で安定するまで暖機走行を続けます。
新車購入後の慣らし運転はした方がいいの？
暖機運転と同じように、昔は新車を購入後は慣らし運転をした方が良いと言われていました。慣らし運転とは、新しい車に大きな負荷をかけずに1000～3000㎞ほど走るようにする、というものです。
車自体の性能が良くなったとはいえ、人によって作られた機械ですから新車でも何が起こるかわかりません。車に大きな欠陥がないかどうかを知るためにも慣らし運転は大切です。
そんな慣らし運転ですが、現在は、車のメーカーによって対応が異なっています。取扱説明書やメーカーのHPに慣らし運転について記載がされていますので、新車が納車された時には確認をするようにしましょう。
エンジンの回転数や走行距離の目安などが書かれていますので、しっかりと読むようにしましょう。
