残債あり・税金滞納の車を廃車にするのは大変!

廃車の手続き

ローン支払い中の車を廃車にするにはどうする?

車は大きな買い物ですから、ローンを組んで購入する人が多いのではないでしょうか。ところが車のローンを支払っている時にその車を手放さなければならなくなった時に、手放すことができないことがあります。一体どういうことでしょうか。

ポイントとなるのが、車が「誰の名義になっているか」という点です。

◎所有者名義が自分の場合

車を売却したり、廃車にするなどは自由にすることができます。ただし、支払い中のローンがゼロになるわけではありません。車を売却したお金でローンの残金を支払える場合には問題ありませんが、赤字になる場合には乗っていない車のローンを払い続ける必要が出てきます。

◎所有者名義が信販会社やディーラーになっている場合

所有者の名義が自分ではない場合には、自由に車を売却したり廃車にすることはできません。まずはローンを完済して「所有権留保解除手続き」をしなければなりません。これは、所有権留保がされている状態では、名義変更ができないという決まりがあるためです。

所有権留保解除手続きってどのようにするの?

車の名義をディーラーや信販会社から自分に変えるためには、まずはローンを払い終える必要があります。ローンを完済していれば、手続きはスムーズに進めることができます。

◎名義がディーラーになっている場合

ディーラー名義の車については、所有権留保解除手続きをディーラーがおこなってくれるため、比較的簡単に手続きが完了します。

・ローンを払い終える
・所有権留保解除に関係する書類がディーラーから届く
・必要な書類(印鑑証明書・車検証のコピー・自動車税の納税証明書など)を返送する
・新しい車検証が届く

◎自分自身で所有権留保解除手続きをする場合

ローンが払い終わった車の名義を自分で運輸支局に出向いて所有権留保解除手続きをすることもできますが、その際には信販会社やディーラーの委任状・承諾書(完済証明書)などが必要となります。

残債のある車を廃車にしたいと思ったら?

ローンを支払っている途中にもかかわらず、大きな事故や災害などに遭ってしまいやむなく廃車にする必要がある場合は、少し手続きがややこしくなってしまいます。

基本的にはローンの残りを一括で返済してから手続きに進みますが、急な廃車であればローンの一括返済が難しいこともあるでしょう。そのような場合にはローンの組み換えなどを行い、所有者(名義人)の承諾をもらうことで手続きを進められます。

あるいはローンの残りを、新しく購入する車のローンに上乗せするという方法もあります。ですが、月々の返済額が大きくなるばかりで将来的に自己破産する可能性も出てきますので、あまりおすすめできません。あらかじめ貯金をするようにしておくか、車両保険に加入して保険でローンがまかなえるようにしておくと安心です。新車を購入する際には前の車のローンはゼロにしておくのが一番です。

自動車税を未納にしているけれど、廃車の手続きはできる?

車を所有している方には、毎年5月になると自動車税の納付書が送られてきます。納付期限は5月末とされていますが、実際は7月頃までに納付しても延滞金がつかないので、納付を送らせている方もいることでしょう。ですが、車検を受ける時や所有権解除の手続きをする際には納税証明書が必要になりますので遅れてでもきちんと支払わなければなりません。

ただし、廃車の手続きは自動車税を滞納していても行うことができます。これは自動車税の管轄(自動車税事務所)と廃車手続きの管轄(運輸支局)が別になっていて、連携がとれていないからです。

通常、廃車の手続きをする際には5月に支払った一年分の自動車税から未経過文の自動車税が還付されます。ですが、自動車税を滞納している場合には廃車の手続きをした後に、未納分の自動車税に関する請求書が届きますので、支払うようにしましょう。