事故を未然に防ぐために知っておきたい現象いろいろ

車の燃費・乗り方

事故の原因になる現象を知って事故を未然に防ごう

ドライブ中の事故はドライバーにとっては怖いものです。ニュースで見る追突事故などは、たいていが相手のあるものですが、単独事故もよくあります。

天気の影響を受けたり、AT車だからということで起きやすい現象を知っておき、いざという時に慌てずに対処できるようにしておきましょう。

雨天時の高速走行は「ハイドロプレーニング現象」に注意

雨が降ると地面には水たまりができます。車が高速で走行している際に水たまりに入るとタイヤが水の上に乗りあげてしまい、路面との接触がなくなることがあります。そうなると車は制御できなくなり、スピンなどが起きます。

4つすべてのタイヤが水の上に乗ってしまうことはあまりありませんが、一瞬でも車のコントロールができなくなるのは危険です。どのようにハイドロプレーニング現象を防げばいいのでしょうか。

・原因

ハイドロプレーニング現象が起きるには、いくつかの条件があります。気をつけたいのは、水たまりの深さ・車の速度・タイヤの摩耗・空気圧が適切でないという点です。

水たまりの深さについてはドライバー自身はどうすることもできませんが、速度やタイヤについては日頃から気をつけていることでハイドロプレーニング現象を防ぐことができます。

・予防法

ハイドロプレーニング現象を起こさないためには、雨の日の高速走行時にはスピードを出しすぎないことが大切です。また、タイヤの溝や空気圧を日頃から点検しておくようにしましょう。

・対処法

もし、高速走行中にハイドロプレーニング現象が起きてしまったら、慌てずに水たまりを抜けるまで耐えるしかありません。その際は、ハンドルを切らないこと・ブレーキを踏まないこと・サイドブレーキを引かないことの3つを守るようにしましょう。

車を安定させた状態で水たまりを抜けるように心がけます。

長い下り坂では「フェード現象」に注意

フェード現象は、ペーパーロック現象・ヴェイパーロック現象とも言われます。長い下り坂を走っている時にフットブレーキを踏みすぎることで、ブレーキが効かなくなってしまう現象のことをいいます。

・原因

フットブレーキを何度も使うことでブレーキが加熱、液圧系統の内部に蒸気が発生して気泡ができてしまい、力が伝わらなくなります。

・予防法

長い下り坂でフットブレーキを使いすぎないように、ギアを落としてエンジンブレーキを利用しましょう。また、高速走行中にはあまり強いブレーキをかけないようにします。ブレーキを使いすぎているかなと感じた時はブレーキを休ませてブレーキを冷やすように心がけます。

・対処法

フェード現象が起きると、ブレーキが効かない・効きにくいという症状が出ます。ギヤは低速に入れて、エンジンブレーキを利用して車の速度を落としましょう。車の速度が落ちたら、サイドブレーキを使って車を停車させます。

スピードが落ちていない時点でサイドブレーキを使うと、車がスリップする原因となりますので、注意が必要です。

AT車のドライバーは「クリープ現象」に注意

オートマ車を運転する際、エンジンをかけた状態でギアをP(パーキング)・N(ニュートラル)以外に入れているとアクセルを踏まなくてもゆっくりと車が動きます。この状態を「クリープ」と言います。

ゆっくりとした動きですが、大きな事故にもつながってしまう現象ですので「クリープ」についても知っておきましょう。

◎クリープのメリット・デメリット

クリープにもいい面と悪い面があります。

・メリット

車の発進がスムーズになるため、渋滞時・車庫入れの時などに運転がしやすくなります。また、上り坂での発進時にも車が後退しにくくなります。

・デメリット

運転手の意思とは関係なく車が動くため、事故につながることがあります。

◎クリープで車が動く速度はどれくらい?

クリープ現象を利用して車を進めていると「遅い」と感じる方も多いかもしれません。アクセルを踏まない状態でクリープのみで車が前進するスピードは時速5~10㎞ほどと言われています。

とはいえ、エンジンの回転数が上がっている状態の場合はクリープの速度もあがりますし、下り坂の場合もスピードが増すことを知っておきましょう。

◎クリープで車が動かないようにするためには?

AT車で車を停車させる際には、ギアを必ずPまたはNに入れておくようにしましょう。また、サイドブレーキはきちんと引くようにします。

さらに、エンジンをかけたままの状態で車から離れることは絶対にしない、というのが重要なポイントです。万が一、クリープ現象が起きても他の車やものにぶつかることがないように、停車する際には車の前方に十分な距離を取っておくことも大切です。