スタッドレスタイヤってどんなもの?スノータイヤとは別?
スタッドレスという言葉には「スタッド=鋲・ピン」が「レス=ない」という意味があります。昔は冬用のタイヤに、地面と接地する部分には金属製の鋲(ピン)が埋められているもの(スパイクタイヤ)が使われていました。その鋲(ピン)をなくしたものがスタッドレスタイヤです。
スパイクタイヤで凍った路面や雪の積もった道路などをひっかけるように走行していたのですが、雪が少なくなったり積もっていない場面では、アスファルトの表面を削ってしまい路面を傷めてしまったことから、スタッドレスタイヤに注目が集まるようになりました。
見た目には通常のタイヤと変わりませんが、凍った路面・雪の積もった道路でも滑りにくい工夫がされています。冬に使うことから、「冬タイヤ」や「スノータイヤ」とも呼ばれることがあります。逆に、通常のタイヤを「夏タイヤ」と呼ぶこともあります。
スタッドレスタイヤが滑らないのはどうして?
スタッドレスタイヤには鋲がついていないのに、滑りにくくなっているのはどうしてなのでしょうか。タイヤが雪道や凍結した道で滑ってしまうのは、「水」の影響があるからです。雪道や凍結した道の表面が融けて水になったものがタイヤと氷の間に入り込むことでタイヤが滑ってしまいます。それを防ぐための工夫がスタッドレスタイヤにはあります。
◎深い溝がある
夏タイヤに比べて、溝が深くなっているのがスタッドレスタイヤの特徴です。深く掘られた溝がしっかりと雪を噛み、グリップ力が高められています。さらにタイヤのブロックには「サイプ」と呼ばれる溝が刻まれており、カーブやブレーキを変えた走行の時にグリップ力が働くように工夫されています。
◎柔らかいゴムを採用している
凍結した路面・雪の積もった路面は平らではなく表面に凹凸があります。そのため、タイヤが少しでも地面に多く接地できるように柔らかいゴムを使用して作られています。低温でも柔らかさを保つゴムを使い、ゴムに硬いものを混ぜ込むことで氷をひっかきやすくなっています。
◎除水性能が高い
氷の表面にできた融水がタイヤと地面の間に入り込まないようにする工夫がされています。
スタッドレスタイヤはどれくらい使える?寿命は?
メーカーや使用具合・保管状態にもよりますが、一般的にスタッドレスタイヤの寿命は3~4シーズンとされています。タイヤの溝表面には摩耗度を知るためのプラットホームと呼ばれる目印がついています。このプラットホームが露出してくると寿命であると判断できます。
走行距離が短く、プラットホームが露出していない場合でも購入から4シーズンも過ごしていればゴム自体の劣化が進んでしまいます。事故を起こさないためにも無理に使用することはやめましょう。
スタッドレスタイヤの寿命を少しでも長くするためには、保管にも気をつける必要があります。タイヤを使用しない期間は、直射日光や雨が当たらない場所に横に寝かせて積み上げて保管しましょう。ただし、ホイールをつけていない状態の時は縦積みの方が良いこともありますので、注意が必要です。
保管していたスタッドレスタイヤを装着する際には、タイヤの溝の状態・ひび割れの有無・空気圧をきちんと確認するのがポイントです。
スタッドレスタイヤの上手な使い方が知りたい!
スタッドレスタイヤの性能を十分に発揮するためにも、外出前にはタイヤのチェックを行うようにしましょう。
◎空気圧の点検
夏の保管・冬の走行中にも空気圧は減っていきます。燃費を良くするためにも適正な空気圧にしておきましょう。
◎溝のチェック
タイヤ表面の溝が半分くらいになると、スタッドレスタイヤは十分な性能が発揮できなくなります。
◎こまめな点検
空気圧や溝の深さ以外にも、硬度のチェックや異物が挟まっていないか、ひび割れができていないかなどを車に乗る前にチェックするようにしましょう。