次世代エコカーの本命と言われる燃料電池車って?
次世代エコカーの本命にはPHVやクリーンディーゼル車が挙げられますが、トヨタやホンダが開発に力を入れているのが燃料電池車(FCEV・FCV・FCHVなどと表記されます)です。
燃料電池車とは、水素と酸素を化学反応させることで電気を発生させる燃料電池を動力とする車のことを言います。水素はいろいろな原料から作り出すことができ、環境にも優しいということで注目度が高まっています。
トヨタは燃料電池車の第一人者とも言える存在で、2002年から燃料電池を使ったハイブリッド車の販売を行っています。
世界で初めてハイブリッドカーを量産・販売したのもトヨタです。現在のハイブリッドカーはまだ車両が重くて「エコ」と言い切れない部分も多いのが現状ですが、将来的には大きな進歩がみられると期待されています。
国としてはEVを広めていきたい考えを持っているようですが、自動車メーカーはEVよりもPHV・クリーンディーゼル車・燃料電池車の方に力を注ぎつつあります。
国とメーカーの温度差がありすぎるという問題点
2013年以降、経済産業省が電気自動車を普及させるために補正予算を組み、トヨタ・日産・ホンダ・三菱の4社が共同でEV・PHVのための充電スタンドを普及させる動きが活発化しました。
ですが、トヨタ・ホンダの両社は燃料電池車の方が将来的に「本命になる」という考えがあり、EVの普及についてはあまり力を入れていないのが現状です。一方で日産・三菱は充電スタンド・EVの普及に意欲を見せておりメーカー各社の間にも温度差があるようです。
エコという点ではEVが優秀なことは確実です。ですが、現状ではガソリンスタンドのように気軽に立ち寄ることができる充電ポイントがなく、自宅でも時間をかけて充電する必要があるEVは長距離の運転には向きません。
一軒家に住んでいる方でも、コンセントの電圧を100Vから200Vに変える工事が必要であり約8時間のフル充電で約200㎞の走行が可能という点を考えると、残念ながら車の用途が限られてしまいます。
また、アパートやマンションといった集合住宅に住んでいる方・戸建でも工事が必要な方にとっては車両価格自体が高いEVは少し手が出しにくいというのが本音でしょう。
PHVに関しても充電施設が必要であることは変わらず、普及にはハードルが高いと言わざるを得ません。
国がEVの充電スタンドの拡充・販売促進を進めようとしてもメーカーや所有者側の考えとの温度差が少しありすぎる感が否めません。
現時点でエコカーの購入を考えるならどのタイプ?
将来的に次世代エコカーの主流がEVになるのか、PHVになるのか、FCEV(燃料電池車)になるのか・・・は現時点では何とも言えないというのが正直なところです。
今、新車を購入して10年後・15年後に乗換えをすることを考えると、今の時点で多くの利用者がいるハイブリッドカーを購入しておくのが間違いないと言えるでしょう。次に車の買い替えを考えた時に、またその時代に流行しているエコカーへの買い替えをしていくのが無難だと思われます。
現時点で充電スタンドの少ないEVを購入してもすぐには充電スタンドが増えるわけではありませんし、近い将来に劇的に便利になるとも限りません。
注目の燃料電池車も、2018年時点で市販されている車種が2車種(トヨタ・MIRAI、ホンダ・クラリティ フューエル セル)しかないことを考えると、今はあまりおすすめできる状態ではありません。また燃料電池に水素を充てんするための水素ステーションもまだまだ不足している状態です。
ハイブリッドカーが登場から20数年かけて徐々に台数を増やしてきたことを考えると、現時点で新車の購入をするのであればこれまで主流であったガソリン車か最新のハイブリッドカーにしておくのがおすすめと言えます。