メーカー以外の塗装は剥げてくる?!
昔は車の塗装が剥げている車もよく見かけましたが、近年はあまり見かけなくなりました。これは、メーカーの塗装技術が進歩したことによる結果です。
車に傷やヘコミができてしまった場合、それらを直すために塗装をし直すことがあります。このような場合には、メーカーではなく修理工場などで塗装が行われることが多いでしょう。修理工場での塗装の場合には、担当者の技術や使用される塗装によって、後から塗装部分に問題が出てくることがあります。
ある程度車の修理などを自分でできる人でさえも、塗装についてはプロに任せる方が多いのは、そのような理由があるからです。
中古車を見ている中で塗装がきれいな車を見つけても、それがメーカーによる塗装でない場合には後から剥げてくることがあるかもしれません。
塗装料金の安い業者には気をつけよう
車の塗装にかかる料金については、業者によってまちまちです。
たとえば、ボンネットの傷を修理して、本体と同じ色に塗装し直してもらうとしましょう。いくつかの業者に見積もりを依頼すると、1万円~5万円ほどの差が出ることがあります。塗装料金の値段にかかわらず、塗装直後はどの業者でもキレイに仕上がっているように見えますが、安い業者に依頼した場合には塗装後数年で、問題が発生することがあります。
塗装状態の悪い業者に依頼すると、以下のような問題が出てきます。
◎塗装作業中に車体にごみがついてしまい、その部分の塗装が盛り上がる
通常、塗装作業をする時には塗装ブースと呼ばれる専用の空間で、チリ・ホコリが入り込まないよう密閉された場所で作業を行います。ですが、その空間がきちんと管理されていなければ、塗装中に車体にチリ・ホコリがついてしまいその部分の塗装が盛り上がってしまうことになります。
よく見ないと気付きにくいですが、環境の整っていない場所で塗装されると起こる現象です。
◎塗装の仕上げが悪く、塗装後1~3年でクリア層が剥げてくる
車の塗装には、仕上げにクリア層と呼ばれる透明の塗装が表面に施されています。このクリア層の塗装がきちんとされていないと、クリア層が徐々に剥げてきてしまいます。
◎クリア層が薄く、徐々にツヤがなくなる
クリア層の塗装が薄いと、クリア層が徐々に剥げるにつれて車のツヤがなくなってきます。クリア層が剥げてしまうと本体の塗装も剥げやすくなり、本体の鉄が見えるようになることもあります。
◎防錆処理が甘く、塗装の内側が錆びてくる
通常、塗装をする前には鉄の表面に防錆処理を行いますが、この処理が甘いと塗装の内部から錆が発生してしまいます。
中古車を見る際には塗装にも気をつけて見てみよう
塗装の処理をしてすぐの車については、良い業者・悪い業者の区別がつきにくいですが、塗装から数年経つと先ほど紹介したような不具合が出てきやすくなります。
中古車を購入する際には修理歴などを確認して、該当する部分の塗装をよく見てみるようにしましょう。周りの部分よりツヤが少ない・塗装が薄く見えるような場合には安い業者で修理・塗装をされた可能性が出てきます。
運が悪ければ購入後に剥げたり錆びたりしてしまうこともありますので、塗装に不安があるなら購入しない方が良いでしょう。
決して自分で塗装をしようとは思わない
車を手放す前に、自分で車の塗装をして買取業者に査定を依頼しようと考える方もいるかもしれません。ですが、車の塗装は気温・湿度・ボディの温度などにも気をつけなければならず、ちょっとしたことで失敗しやすくなっています。チリ・ホコリがシャットアウトできる空間などがない場合には、自分ではやらない方が良いでしょう。
下手に塗装して失敗してしまうと、査定額にもマイナスに影響してしまうことがあります。多少の傷や塗装の剥げがあっても、自分で塗装することはやめて、査定に出すのが賢明です。