事故に遭っても車両保険の等級がダウンしないことがある?
車同士の事故や自損事故を起こした場合、車両保険を使うと3等級ダウンとなります。また、盗難や落書き、火災・水害、窓ガラスなどの破損が起きた場合に車両保険を使うと1等級ダウンとなります。
車両保険を使うと、ダウンした等級の数と同じ年数だけ「事故有等級」が適用されてしまいます。そうなると保険料が高くなるので損害額が小さい場合には保険を使わないで修理した方が得な場合もあります。
ですが、車同士の事故の場合には小さな傷で済むということは少ないでしょう。また、駐車場に停めている間に当てられて傷つけられてしまうことも可能性としてはゼロではありません。そのような場合には、「車両無過失事故に関する特約」をつけておけば、等級を下げることなく補償を受けられることがあります。
「車両無過失事故に関する特約」について、詳しくみていきましょう。
車両無過失事故に関する特約ってどんなもの?
車両無過失事故に関する特約とは、相手のある交通事故に遭った際、自分の側に全く過失がない状態であった場合に保険の等級を下げることなく補償を受けることができる特約です。
車両無過失事故に関する特約を付けていた場合、一定の条件を満たす交通事故に遭った場合には、車両保険を利用しても等級を下げることなく補償を受けられるとあって、人気の特約となっています。では、「一定の条件」とはどういうものを指すのでしょうか。
保険会社によって細かな条件は変わってくるものの、代表的なものを紹介します。
◎自分の過失が「0%」であること
・後ろから追突された場合(被追突事故)
・相手がセンターラインを越えて接触してきた場合
・相手が赤信号を無視して事故になった場合
・駐車中・停車中に接触された場合
車同士の事故が起きた場合、どちらにどれくらいの過失があったのかを「過失割合」として算出します。この過失割合が「100対0」と認定され、相手が100となった場合には、一般的に相手側の保険会社から保険金が支払われることになります。
ですが、相手が任意保険に加入していない場合には相手に直接支払ってもらわなければなりません。もし、相手に支払い能力がない場合には泣き寝入りしなければならない場合も出てきます。そのような時、自分の車両保険で「車両無過失事故に関する特約」をつけていれば、保険の等級を下げることなく補償を受けることができます。
◎加害者が分かっていること
「車両無過失事故に関する特約」を利用する際には、自分側に過失がないことの他にも、条件があります。それが「加害者が分かっていること」となります。
・相手側(加害者)の車のナンバープレートが明らかであること
・相手側の住所・氏名が確認できていること
事故後、警察によって事故証明が発行されるような場合には間違いなく車両保険の車両無過失事故に関する特約を利用することができると言えます。しかし、当て逃げなどのように相手の車や所有者・運転者がわからない事故に遭ってしまった場合には特約を利用することができません。
事故後、警察の捜査によって相手の特定ができた場合には、その時点申請を行うことで車両保険の車両無過失事故に関する特約が適用されることになります。
車両無過失事故に関する特約はどの保険会社でも契約できる?
いわゆる「もらい事故」に遭った際に、役立ってくれる車両無過失事故に関する特約ですが、どの保険会社でも取り扱いをしているわけではありません。車両保険に加入した際に「自動付帯」となっている場合と「任意付帯」となっている場合があるので、確認をしておくようにしましょう。
自動付帯の場合は、車両保険に加入することで自動的に車両無過失事故に関する特約もついてくるというものです。任意付帯の場合には、車両保険に加入する際に特約を付けるかどうかを自分で選ぶことができるようになっています。
「自分は事故を起こさない」と安全運転をしていても、事故は相手側から起こされることもあります。そんな時に役立ってくれる「車両無過失事故に関する特約」の役割をしっかりと知っておき、いざという時に助けてもらえる存在にしておきましょう。